ICD-10: E78.5

脂質異常症(高コレステロール血症、中性脂肪が高い)

別名: 脂質異常症、高脂血症、高コレステロール血症

豊田 弘邦

この記事の監修医師

豊田 弘邦

日本内科学会認定総合内科専門医

📖 読了時間: 約3

脂質異常症

脂質異常症とは

血液中のLDLコレステロール(いわゆる「悪玉コレステロール」)や中性脂肪が過剰になった状態、またはHDLコレステロール(「善玉コレステロール」)が低下した状態を、脂質異常症といいます。

自覚症状がほとんどないため「サイレントキラー」とも呼ばれますが、放置すると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中など、命に関わる病気につながる可能性があります。

脂質異常症になりやすい方

  • 肥満・過体重の方
  • 糖尿病や甲状腺機能低下症のある方
  • ステロイドなど一部の薬を長期使用中の方
  • ご家族に高コレステロールの方がいる方(家族性高コレステロール血症)

診断基準・数値の見方

血液検査で以下の4項目を測定し、診断します。

検査項目目安となる数値
LDLコレステロール(悪玉)140 mg/dL以上で高LDL血症
HDLコレステロール(善玉)40 mg/dL未満で低HDL血症
中性脂肪(トリグリセリド)150 mg/dL以上で高トリグリセリド血症
総コレステロール200 mg/dL未満が望ましい

LDLコレステロールが190 mg/dL以上の場合は、遺伝的な体質(家族性高コレステロール血症)が疑われ、より積極的な治療が必要となります。また、ご家族にも同様の検査をお勧めする場合があります。


治療方針

脂質異常症の治療は、生活習慣の改善を基本とし、必要に応じて薬物療法を組み合わせます。

生活習慣の改善

まずは食事・運動・禁煙など日常生活の見直しから始めます。

  • 食事:飽和脂肪酸(肉の脂身・バター)や糖質・アルコールを控え、野菜・魚・食物繊維を意識的に摂る
  • 運動:ウォーキングなどの有酸素運動を週150分以上を目標に
  • 禁煙:喫煙はHDLコレステロールを低下させ、動脈硬化を著しく促進します
  • 適正体重の維持:肥満は中性脂肪・LDLを上昇させる大きな要因です

薬物療法

生活習慣の改善だけでは目標値に達しない場合、または心血管リスクが高い場合は、お薬による治療を行います。

  • スタチン系薬:LDLコレステロールを効果的に下げる第一選択薬
  • フィブラート系薬:中性脂肪が高い場合に使用
  • その他:エゼチミブ、PCSK9阻害薬など、病態に応じて選択します

治療開始・変更から6週間後に採血で効果を確認し、その後は年1回の定期チェックを行います。


当院での診療の流れ

  1. 初診・問診 生活習慣、ご家族の病歴、内服中のお薬などを詳しくお聞きします。
  2. 血液検査 脂質4項目に加え、血糖・肝機能・腎機能なども合わせて確認します。
  3. 結果説明 数値の意味と心血管リスクについて、わかりやすくご説明します。
  4. 治療方針の決定 生活習慣指導のみか、薬物療法も併用するかを一緒に決めます。
  5. 定期フォロー 通常はお薬を開始後は安定するまで1か月、その後2~3か月ごとの受診で、採血結果をもとに治療を調整します。

脂質の数値が気になる方、健診で「要精査」と指摘された方は、お気軽にご相談ください。

この記事について

この記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。 症状がある場合は、医療機関を受診してください。

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