尿路感染症(膀胱炎・腎盂腎炎)

尿路感染症(膀胱炎・腎盂腎炎(じんうじんえん)とは)

尿路感染症は、膀胱や腎臓に細菌が感染することでおこります。膀胱炎や腎盂腎炎などをあわせて尿路感染症といいます。

膀胱炎

膀胱に細菌が感染して起こる感染症を膀胱炎といいます。膀胱炎は細菌が尿道から膀胱に逆流して起こります。

腎盂腎炎(じんうじんえん)

腎臓に感染すると腎盂腎炎(じんうじんえん)といいます。腎盂腎炎は、細菌がさらに高い位置にある腎臓に移動して起こります。

このため、膀胱炎のほうが腎盂腎炎よりも起こりやすいです。膀胱炎、腎盂腎炎ともに、男性よりも女性に多く見られます。また、膀胱炎と腎盂腎炎は同じ尿路の感染症ではありますが、腎盂腎炎は全身の感染症となり、膀胱炎にはない発熱や吐き気などの症状もでることがあり、しばしば重症になることがあり注意を要します。

膀胱炎の症状はつぎのようなものです

など

腎盂腎炎の症状はつぎのようなものです

など

尿路感染症の検査・診断と治療

診断・検査

尿路感染症の診断は上記症状の有無を問診(もんしん;お話をうかがうこと)し、診断します。また必要に応じて尿検査や尿培養検査を行うことがあります。尿検査では尿の中に白血球や亜硝酸塩(あしょうさんえん;膀胱内に6時間以上、細菌がいたことを示すとされています)があることをしらべ、間接的に細菌がいる証拠をつかみます。検査自体は機械にかけてから1分以内に終わります。尿培養検査では、細菌の菌種と抗菌薬への感受性をしらべ、治療の参考にします。培養検査には3−5日間程度の時間を要するため、よくある菌種(9割が大腸菌とされますが、併存症や以前の培養の結果を考慮に入れます)を想定し、治療を開始します。治療経過と培養検査結果をもとに治療を更に最適化していきます。

尿検査・尿培養検査はいずれもお手洗いで採尿カップに尿を入れていただくだけです。

治療

尿路感染症の治療は抗菌薬(抗生物質)で治療します。この薬は感染症の原因となる細菌を殺すことで効果を発揮します。もらったお薬はすべて飲みきりましょう。そうしないと再発や難治化(今後の治療が難しくなること)することがあります。

膀胱炎

3−7日間、抗菌薬を内服する必要があります。

腎盂腎炎

10−14日間、点滴もしくは内服する必要があります。解熱するまでは抗菌薬の点滴を行うことがあり、解熱後は抗菌薬の内服をおこないます。また重症度や併存症(その他にかかっている病気;糖尿病・泌尿器疾患・神経疾患など)によっては、入院をおすすめすることがあります。

一般的な経過

膀胱炎

内服を開始してから、1日以内に症状が改善し始めることがおおいです。

腎盂腎炎

治療を開始してから3日以内に解熱することがほとんどです。3日以内に解熱しない場合、通常は造影剤を使ったCTで精査を行い治療方針を決定します。そのような場合当院では病院へご紹介いたします。(治療開始後も、3日以内に解熱しない場合は、腎盂腎炎以外の原因のことや、腎盂腎炎がさらに悪くなってしまい腎臓に膿(うみ)ができた状態(巣状細菌性腎炎や腎膿瘍)に進展していることがあり、これらは一般的には腎盂腎炎よりも更に長い治療期間を要します。)

膀胱炎の予防

膀胱炎様症状を繰り返す場合は、膀胱炎以外にも症状をおこす原因があることがありますので確認の検査を行います。もし膀胱炎を繰り返している場合は、次の予防をおすすめしています。

水分をよく摂る

普段の水分摂取にプラス1.5Lの水分摂取を行うことで、膀胱炎を予防できるとされています。

(更年期以降)膣内エストロゲン製剤を用いる

膀胱炎を予防できます

セックスの後に排尿をする

これは効果が証明されていませんが、少なくとも簡単で害がないため、おすすめします

抗菌薬を予防内服する

まず他の方法を試し、効果がない場合で、メリットがデメリットよりも大きい場合に考慮されますが、通常はあまりおすすめされません

よくある質問と答え

 

抗生剤(抗菌薬)は飲みきらないとだめですか

ぜひ飲みきってください。治療をご自身の判断で途中でやめると再発や難治化の危険があります。内服後に発疹などのおくすりの副作用が疑われる場合は、すぐにご相談ください。

 

クランベリージュースやクランベリー製剤は効果がありますか

先行する研究ではクランベリーのはっきりとした効果は示されておらず、効果がないとされているものもあります。しかし、性交後の排尿と同じく、効果が確かめられていないものの、特に害もないため、費用がリーズナブルであれば、試してみること自体に問題ないものと考えます。

 

症状はないけれど尿中に細菌がいる(細菌尿)といわれました、治療したほうがいいですか

これは無症候性細菌尿(むしょうこうせいさいきんにょう)と言われる状況です。当院で症状のない細菌尿に対して治療をする状況は、妊婦さんの細菌尿のみです。妊婦さんの無症候性細菌尿は早産のリスクがあるとされ、治療の対象となります。一方で60代以降の方の10%程度、80代では20%程度の方に無症候性細菌尿が認められるとされ、それらを治療するメリットは今のところ不明とされているため、一般的には症状がないことを経過観察していただき、症状がある際も、治療をおこなうか慎重に決定します。

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